Facebookの出会い系サービス進出に伴う結婚相談所開業のリスク

2018/5/12

Facebookのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者は去る2018年5月1日、同サイトに近日中に「出会い機能」を追加すると発表しました。この計画は同社の年次開発者会議で発表され、新サービスはその場限りの関係ではなく、「本物の長期的な関係を築くためのものだ」と述べましたが、発言の根幹部分から推測するに、日本でいう、婚活・恋活ユーザーをターゲットにしているように考えられます。

現在、日本でネット婚活サービスのTopブランドと言えば「ペアーズ」でしょう。実名登録が前提となっているFacebookの信頼性を利用し、そして安価な価格で真剣な婚活、恋活ができることを売りにして、急激に会員数を伸ばし、累計登録会員数は600万人を超えたとされています。

この市場にFacebookが参入するというのです。ザッカーバーグによれば、Facebookは全世界で22億人の登録があり、このうち2億人が独身として登録されています。Facebookは新機能を利用し、まずはこの2億人にアプローチするとしています。突然、世界最大の会員登録数を誇るマッチングサイトが誕生することになります。この事実は、我々、婚活業界にどういった変革をもたらすことになるのでしょうか?

この発表がされるとすぐに反応したのは、株式市場です。米国のネット婚活の大手会社の株価は軒並み下落し、その影響はこの日本にも波及してきています。サービスのコンテンツがガチでかぶってくるネット婚活業者にとって、会員獲得の根幹を握るFacebook社のマーケット参入は正しく死活問題となってくると容易に想像できます。

一方、サービスのコンテンツ内容がネット婚活とは丸かぶりしない仲人婚活業界にとっては、どういう変革を持たすことになるのでしょうか?

まず、心しておかなければならないことは、(今でもそうですが、)「出会いを提供する」ことでお金は取れなくなりますよね。そもそも、Facebookのビジネスモデルに利用者からお金を徴収する考えはありませんので、「出会い」は無料が常識になるのではないでしょうか。ネット上での出会いに課金することはできなくなり、この価格の下方圧力は、結婚相談所のサービスコンテンツにも少なからず影響を与えることになると思います。

この変革は結婚相談所にとって悪いことでしょうか?

弊社はこの変革はある意味好機であり、マイナス面よりもプラス面の方が多いと考えています。ネット婚活が常態化することによって、恋活・婚活の間口が広がり、「出会い」だけでは交際に進むことのできない未婚者が1対1の出会いを求めて、仲人婚活に入り込んでくることを想定し、そういったユーザー特性をよく理解した施策を今から準備、展開することで確実にマーケットを捉えることができると考えています。

BIU日本ブライダル連盟では、その為の施策展開を全国の定例化で既に開業されている相談所の皆さんと共有させていただいています。